火崎 勇/そのキスの裏のウラ


 

徳間書店 キャラ文庫】【羽根田実】【2009年12月刊】 isbn:4199005528

 

★4.5<酔って記憶をなくした百瀬は、どうやら男に抱かれてしまったらしい!?
けれど相手がわからず、どうやら置き手紙の文面から会社の人間か取引先の人間。
候補かと思われる相手は二人いたけれど、面と向かって聞くわけにもいかず、それとなく探りを入れてみるが…。

優しく失敗しても丁寧に対処してくれる頼りにしている先輩と、仕事には厳しいけれどやり手でエネルギッシュな取引先の社長。
そして自分は平凡だと思っているけれど、仕事に前向きで失敗もするけれど投げ出したりしない、努力をすることを知っている百瀬。

火崎さんの作品にしては珍しく(受)キャラを取り合うもの。
でもそれほどヘビーにはなっていないし、だいたいどちらが本当の相手なのかは薄々わかってくるので、二人のうちどちらを選ぶのだろう…という心配はせずに読めたけれど、逆に百瀬、早く気づけよーとは思ったかも。(笑)

最後には百瀬自身も感じているけれど、無自覚のうちにひどいことをしてしまっていたのでその相手がかなり気の毒。(苦笑)
火崎さんもあとがきで触れられていたけれど、本当に純愛の人でした。
あんなに大事に大事に百瀬のことを思ってくれるなんて。
確かに百瀬もあんなにその人の可愛いところを見せられたら、それまで恋愛感情ほどは持っていなくても、この人の言う通りにしてあげてもいいかも、と思ってしまえると納得できました。

ただ自分の好き度的には百瀬がお馬鹿さんだった分(苦笑)少し低めに。