火崎 勇/誰が袖


 

★4.5<人の気にあてられてしまう初音は

昔から人を避けて生きていたが、

 

幼馴染の帯刀壮(たてわき・そう)は

そんな事情を知った上で大人になった今も

親友としてつきあっていた。

 

そんなある日、

壮は一人で住まう初音の家の庭先で

たたずむ幽霊を見るようになる。

 

霊感がまるでなかった壮とは違い、

初音には珍しいことでもなかったが、

 

祓う力もなく、

近寄ってくるでもない幽霊ならば

放っておくよう壮には言うが、

 

壮は初音に

もしものことがあればと

気になって仕方がない。

 


そんなある日

壮はその幽霊の男が

初音を抱く夢を見てしまう…。

 

 

一番の親友として初音を気遣っていたはずの壮が、

あることをきっかけに自分の気持ちに気付く。

 

おおらかでストレートな壮だけれど

初音に関しては繊細に気遣う優しさにあふれ、

 

おっとりしながらも

気心の知れた壮には憎まれ口をきく初音は可愛い。

 

初音の仕事である「香」の話を絡めながら、

骨董品に宿る思いが

二人にいろいろなことを気づかせていく展開は、

 

その「思い」がちょっと辛いものであることから

せつない部分もあったけれど、

 

壮の誠実さがよく伝わってくるお話で

なかなかよかったと思えた。

 

 

好き度は★4.5にするほどでもなかったかな、

とも思えたけれど、

逆に★4にするほどでもなかったので★4.5に。

火崎 勇/大人の恋が騒ぐので


 

山田シロ (イースト・プレス)  AZ NOVELS: 2009.4 ISBN : 978-4-7816-0121-2

 

★4<受験に失敗し、絶望していたとき三鈴の出会った新進気鋭の芸術家・隈。
叱りながらも優しくしてくれた隈のおかげで前向きになった三鈴は無事大学生になり、隈の食事係のバイトとして以降も出入りするようになるが、そのうち隈に恋愛感情を自覚。
覚悟を決めて告白するが…。

コツコツ頑張って隈のテリトリー内から追い出されないように健気に頑張る三鈴は可愛く、乱暴な口ききながらも悪い人ではない隈はかっこいい。
三鈴の告白からなかなか返事をしない隈にしびれを切らす三鈴はせつなく、どんな展開になっていくのかな、とすごく楽しみに読み進めたのですが…。


▼ネタばれ▼になりますが、意外にも隈が三鈴に対して躊躇していたのは自分の特殊な性癖のせい!?
隈にS宣言され、戸惑いつつもなんとかなるだろうと恋人にしてもらうけれど、SMドシロートの三鈴はあちこち調べたり友人に聞いてみたりするうち本当についていけるのかな?と不安になる。

 

まあ結果的には隈さんはそれほどハードなSというわけでもないらしく、身体を傷つけるようなことはしない、ということらしいけれど、特にそういうことに興味のない私には、すでにさるぐつわのようなギグと呼ばれるものを使う段階でかなり引き気味。
今までにもこのジャンルで口をふさぎながらのエッチなんて何度も読んできているシチュエーションだけれど、やっぱりSMを前提として専用の道具を使ってする口ふさぎは違いますね、(攻)の気構えが!?(苦笑)

 

あと隈さんぐらいのSっ気のある(攻)キャラも今までいろいろ読んだはずだし、隈さんのSっ気も冷静に読めばたいしたことはしていないはずなのだけれど、三鈴がすごくあれこれ調べて不安がるのが伝染するというか、今は三鈴に合わせて我慢している隈さんは、いったい許せばどこまでしたいの!?(笑)という怖さを感じてしまって、ちょっと私には無理ーと思ってしまいました。(笑)

 

二部作の後半のお話で、自分が捨てられるかも、と誤解する三鈴のせつなさなんかもすごくよかったし、隈さんもキャラ的には悪くなかったのですけれどね…