火崎 勇/荊の鎖

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【中古】 荊の鎖 キャラ文庫/火崎勇【著】
価格:110円(税込、送料別) (2024/3/23時点)


 

【麻生海】【徳間書店キャラ文庫】【2008年12月刊】【ISBN:978-4-19-900506-0

 

★5<学生時代、気に入ってはいたが、健気に自分を思う永井の気持ちを知ってからは興味のほうが強いような感情で永井を抱くようになる峯。
けれどいつしか献身的だった永井に、若かった峯は尊大に振る舞うようになり、永井以外とも遊び歩き、とうとう永井を突き放してしまう。
まさかそのままぷっつりと縁が切れてしまうとも知らずに―――。
そして5年ぶりのある日、峯の勤めるホテルで永井が結婚することを知り…。

永井にしてみれば、ただ峯のそばにいられるだけでも嬉しかった学生時代、峯に抱かれ、恋人として一番そばにいられる権利をもらえて、どれほど嬉しかっただろうと思うのに、結局手酷く捨てられ傷つき離れていったときの辛さはいかばかりか…。
ただ、峯は峯でやっぱり苦しんでいて、永井がどこにもいなくなってしまったのだとわかるあたりの絶望感は本当にせつなく、再会してからの峯は犯罪まがいのことまでしてしまうダメダメな人なのだけれど、それでも、そこまで思いつめるほど永井が好きで好きで、好きだけれど、もう手に入らないこともわかっているあたりがものすごくせつない。
やり方を間違えまくった馬鹿な男なのに、永井が自分のものでないことが本当に苦しそうで、もう、終始胸がぎゅうぎゅう痛くなるようなお話でした。
もちろん最後はハッピーエンドなので安心して読めるし、ストライクゾーンど真ん中でした。