火崎勇/最後の純愛

結局失うなら、二度と本気の恋はしない――。フリーライターの巨摩(こま)は、サラリーマンの芝(しば)とルームシェアをしていた。穏やかな芝は、巨摩にとって理想の相手。このまま心地よい共同生活を続けていきたい――。ところが、芝に想いを寄せる同僚が現れ、「芝を好きじゃないなら同居を解消しろ」と迫られてしまう!! 敢えて封印していた欲望を自覚した巨摩は、ある晩思わず芝をきつく抱いてしまい…!?


 

キャラ文庫 2005.9 宝井さき ISBN : 4199003649

 

★4.5<過去に三度の恋をした巨摩は、そのたびにあまりいい結果に終わらなかった経験から、もう恋はしないと避けてきた。
人付き合いが決して得てではないフリーライターの自分が、まるで環境の違うサラリーマンの芝とルームシェアしているのにそれが楽しいという気持ちは感じていたが、あくまで友人として長く続けたい関係だと思っていた。
けれどあるとき芝が自分に向ける気持ちに気付いてしまい…。

せっかく芝から好かれていて、自分もどうやら特別に思っているくせに、それでも一歩前に踏み出すことが出来ず芝を傷つけてしまう臆病な巨摩なのだけれど、今回芝がおっとりしていそうに見えて、頼りになる男前な面があったり、案外激しい面があったりして巨摩を引っ張っていくやりとりが、まあ先は読めるのだけれど個人的には好きな展開。
(攻)キャラとしてはちょっと恥ずかしいこと?を言われて「…ぬかせ」と気まずそうに言い返す巨摩がよかったです。(笑)