火崎勇/スプーンポジション

俺に訪れた人生の転機―それは、親友・雲井からの愛の告白だった。
その後も変わらぬ彼の態度と二人の距離の居心地のよさに、いつしか彼の腕の中にとけ込み始める俺。
だが、男としてのプライドから全てを委ねられずに悩むうち、ある事件に巻き込まれ…!?心地よい温もりで癒されたいあなたに。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

スプーンポジション (Be-boy novels) [ 火崎勇 ]
価格:935円(税込、送料無料) (2023/11/27時点)


 

ビーボーイノベルズ:2003.2 越智千文

 

★4.5<海外転勤から帰国し、新生活をスタートさせた常盤は、同時に久しぶりに再開した友人の雲井から、突然恋愛感情を向けられていることを突きつけられる。
居心地のいい相手だから余計に明快な答えが簡単には出ず、答えを急ぐようなことをしない雲井との関係は、口にしなければ恋愛感情云々の話は思い違いだったのかというほど、以前と変わらない居心地のいい友情関係を保ちながら、新しい仕事も順調にこなしていた常盤。
けれど一方ではストーカーに狙われる、という物騒な出来事が並行し、そのギャップがおもしろい。

派手な話ではないけれど、友情から、その感情が恋愛に移行できるものなのか、ということを懸命に常盤が模索していくところもよかったし、雲井の、近い距離にいながらも白黒を迫る態度に出ず、関係を壊すぐらいなら友情関係を続けた方がいい、と言う言葉が嘘ではなく、煮詰まって押し倒すようなところがないのもよかったし、やっぱり、最後、常盤の気持ちを確認してからの、それまでに見せたことのなかった、本気で常盤を求める顔をみせる雲井がすごくよかった。