直野儚羅/欲望少年

バンブーコミックス: 竹書房 : 2006.1 ISBN : 4-8124-6419-6

 


 


  
★5<短編集で、

  1. 「隣のお兄ちゃん(先生)&お兄ちゃん激ラブちょっと無骨な高校生」
  2. 「美人で元気のいい俺について来い系(攻)&ガタイはいいのに弱気なおっとり(受)」
  3. 「森の王で夜にしか人型になれない虎さん&リストラに遭ったリーマン」
  4. 「ひっそりと隠れ家みたいなお店でとびきり美味しい卵料理を出してくれる店主&卵大好きで照れ屋な客」
  5. 「子持ちだけれど男前な若い男&子供好きだけれどゲイでちょっと自虐的なところのあるオジサン隣人」

そんな組み合わせの5作品収録。


とにかくどれもすごく長い話ではないけれど、

ほんわかと心温まる二人のお話ばかりで大満足の一冊!


どのお話もいいし、どのシーンもよくて、

その中で一番よかったシーンを挙げるとするなら…

と考えるとすごくすごく難しいほど。


「欲望少年」
では年上のお兄さん・優が

年若い男の子・忍の勢いに押されほだされ…、

という部分もありつつ、

でも忍のほうがまだまだ無垢で、

優のほうが笑顔でちょっとやり手というか、

ラストの「おりゃっ☆」と形勢逆転して

忍をメロメロにしちゃうところなんか最高によかった。


「欲望少年~沢木の場合」
これはガタイはいいくせに

泣き虫なマコちゃんが可愛いのだけれど、

マコちゃんの気持ちを察して、

秀也にカマをかける忍がいい味を出してる!


特にラストの「すすめといた」と満足げな表情が最高ー!


「Love Snatcher」
森の王ということで、

ティグレは傲岸不遜なところはあるけれど、

口に出さない部分で竜明を大事にしてあげている部分が

見え隠れするのもいいし、

人型ではおじさん姿になる山猫の長が山猫になっているときも

表情豊かですごくよかったし、

 

ラストのあとがきでは

その後の二人+α(笑)が描かれているのだけれど

そちらもすごく可愛い!!


「愛と沈黙」
店長のメガネ男さんも男前でよかったし、

お客さんで照れ屋さんで自分の世界に入り込みやすい天然さんが、

大好きなはずの男より

どうも「卵」に異常反応するところもおもしろかったし、

そんな反応に男前店長がムッとするところもよかった!!

<卵に嫉妬しないといけないなんて気の毒すぎ!(笑)


「溺れる関係」
酔った時だけ互いの欲望を処理する

みたいな関係だと思い込んでいるオジサン・蛍一の

自分を卑下しつつ笑顔が可愛いいところがよかったし、

 

無精ひげで長髪の色男が、そっけなく見えて

実は蛍一を想っていて苦悩しているところもよかったし、

ラストの子供達をうならせる

俺様な言い分?も笑えて(笑)大満足だった!