【麻生 海】【クロスノベルス】【2011/6】
・あらすじ・
会社の上司・千原が好きで、告白はしていたけれど純朴な花川は、千原が初恋のようなもの。
千原に何を求めることなく、ただ好きでいる自分が側にいてもいいか、という告白だっただけに、千原は別に構わない、という返事をしただけ。
その後一年の間に売り言葉に買い言葉のような発端でご褒美にキス、までは数回するようになっても、千原との関係はさしてかわらないまま日々が過ぎて。
けれどあるとき千原を狙う同僚の女性が出てきたことで、花川の恋はいよいよ追い詰められて…。
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・レビュー・
★5<同僚女性に自分の気持ちをカミングアウトしていまう花川は
ちょっと天然さんだけれど、
負けん気の強い部分もあるし、
千原の軽いキスにドギマギしつつも
男同士のやり方をちゃんと調べちゃうぐらいには男の子。
そんな花川が好きな千原は、
花川が何でグルグルしているのか
わかっていてからかったり距離を置いたり追い詰めたり、
そんな余裕のある年上の男風。
でも何ですか、
▼ネタばれ▼になりますが、
あの人最後に本性を見せた
時には大人げない、余裕ない、お許しが出たらケダモノ!?(笑)
口ではあんなに素っ気なく花川を振り回して、
花川はせつなく胸を焦がしていたというのに、
内心そんなにぐちゃぐちゃ思っていたなんて本当に可愛い人。(笑)
あの男があんなふうにバケるとは。
もうちょっとだけ
二人のその後の甘ずっぱいやりとりを読みたいところだったけれど、
大人の男のめんどくささが
千原視点のミニ小説のほうでも読めて大満足でした。