火崎勇/身代わりの恋人

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身代わりの恋人 (オヴィスノベルズ) [ 火崎勇 ]
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ISBN:9784871828086

 

★4(+)<無能な上司の下で働き続けることに嫌気が差し、仕事以外のしがらみから逃れ、仕事に集中出来る派遣社員として働くようになった赤羽は、新しく派遣された先の上司に「愛人」にならないかと口説かれる。
最初は憤慨したものの、仕事はよく出来、また派遣社員の赤羽を「派遣のくせに」と差別することもなく、上司としては今まで出会ったことのないほどいい上司に巡り会えたと思えた。
けれど、やっぱり時折向けてくる意味深な視線には戸惑うばかりで…。

仕事をする上で、頭の回転が速く、部下にばかり仕事を押し付けるのではなく自らバリバリ仕事をこなす、こんな上司だったら確かにいいなぁと思える岩波と、暴走しがちな岩波を、ただ四角四面にいなすのではなく、ポイントポイントを押さえつつ柔軟に対応してくれる、こんな部下だったらやりやすいだろうなぁと思える優秀な部下・赤羽。
いいなぁと思えていた二人だったけれど、あれほど赤羽を気に入っていたらしい岩波に恋人がいる、という存在が出てきてからはものすごく複雑な気持ちに。
オチまで読めばそうだったのかとは思うけれど、いい人だと思っていただけに途中はなんて不実な男なんだと悲しかったし、赤羽も可哀相だった。

でも全体的には火崎さんらしく、赤羽がぐるぐるとあれこれ考え、身を引かなければ…と無理やり笑顔を作ろうとするところなどせつなくてよかった。
ただ、昔の失敗を元に、今度は後悔しないように、とあれこれ言葉にしてくれる岩波が、赤羽を抱く直前に「言ってやるよ」、という言い方で気持ちを告げるあたり、赤羽自身は喜んでいたけれど、個人的にはあんまり好きな言い方ではないかなぁと思えたけれど、他には前にも書いた二人の仕事に対する姿勢がよかったし、いろいろこんな言い回し、いいなぁと思えるところや、キャラクターのこんな考え方がいいなぁと思えるところなどが何箇所もあったのがよかった。
ということで好き度は★4.5とすごく迷って一応★4に。
そういえば秘書の高野の恋の話ももうちょっと読みたかったなぁ。