火崎勇/レゾナンス


 

リーフノベルズ1996/07  ISBN:9784795204676


★4<退魔もの。
親友の望みをかなえるべく、京都から上京した静佳。
ちょうどやっかいな男たちに絡まれているところを助けてくれたのが、探し人だった『音』だったが、静佳はまだ事情を『音』には知らせぬまま、『音』の家に転がり込むことに。

よくも知らない人間である静佳を、仕方なく泊めてやることにした『音』は、たった一人の兄弟である『香(こう)』を溺愛しているお兄ちゃん体質で、悪気のない我儘は許容してしまうところもあるし、溺愛する『香』が今は旅行中で側にいないことから、静佳の体温を悪くないと思ったりもするのだけれど、一緒に過ごすうち、静佳の感覚が自分の求めているものと似ていることから惹かれていく。
静佳もまた、『香』から聞いていただけじゃなく、実際に『音』に出会い、共に過ごすうち、その大きなガタイとは裏腹に自分に甘えたがるようなところのある『音』に惹かれていく。

火崎さんご自身は、何かが出来る力とか、信じる力とかは、宗教なんかに関係のないものじゃないかな、という思いがあって書かれたそうで、静佳も自分の力をすごく自然体な感じで受け止めている感じがしました。