火崎 勇/恋の片鱗 記憶の欠片


 

幻冬舎コミックス リンクスロマンス : 2007.2 ISBN : 4-344-80937-8

 

★4.5<好きなのに、自分の気持ちは自分のもののはずなのに、自分を通して他人を見ている男・黒城に自分自身の存在を否定されたまま、強く自分の中の他人を求められてしまう綾織。
自分であって自分ではない自分を求められる複雑な状態に自分の気持ちを混乱させつつも、自分の気持ちとして黒城に惹かれていっていることを自覚していく。

火崎さんらしい不思議なお話で楽しませてくれる中、自分を好きだと言いつつも自分を見てくれているわけではないという辛い気持ちもよく伝わってきたし、綾織の中の彼の無念だったろう気持ちとか、黒城の辛かった過去などもせつなくてよかったです。