火崎勇/君は僕の太陽だ!

「好き」と決めたら一途になるのが、新米編集者・高城暁(さとる)のポリシー。そんな彼が「マズイ、好きになるかも」と思ったのは、新しく担当になる作家・津森良紀だった。口が悪くてイジワルで、何かと自分をからかってくる津森に、どうしようもなく惹かれてしまう高城。だがある日、津森の子供だという赤ちゃんの出現で、なんと一緒に住むことに・・・!?かくして新型ファミリーのママとなった高城だが、津森パパには何やら秘密がありそうで・・・。


 

ショコラノベルズ 1996.6 蝶楽 ISBN:9784883022649

 

★4.5<イキのいい感じの主人公・高城が、姉の子供を間近で見ていたおかげで、津森の子供の世話係りになってしまう。
普段はイジワルな津森にやり込められているような高城だが、ひとたび、自分が納得できないと、怖がることなく怒りを露にする高城の素直な元気さに好感が持てたし、津森の不器用さもあちこちから伝わってきてなかなかよかったものの、二人の何だか夫婦のやりとりみたいなクスッと笑える言い合いのテンションと、津森の秘密についての話しとの話しのトーンのギャップがちょっと感じられて、少し違和感は覚えた。

それでも後半、頑なになっている津森の事情がわかり、いつのまにか高城の気持ちを信じてみたいと思うようになる津森の臆病さから、念押しするみたいに高城の気持ちを確認しようとする津森の不器用な必死さにとても好感が持てたし、そんな不器用な津森をわかりたいと、一生懸命言葉を探そうとする高城の健気な優しい部分もよかった。

ということで好き度は★4.5
欲を言えば、もう少し高城のテンションをゆっくりと書いていれば、それほど津森の秘密とのテンションのギャップを感じなくて済んだんじゃないかな、と思えたので★4と迷ったけれど、夏みかんという小道具になぞらえた描写が好きだったのでポイントは切り上げました。

★続巻↓

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