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ひたき (プラチナ文庫) 2005/8 ISBN:9784829622940
★5<26歳にして初恋だったというスレていない天然素材の成宮が、都筑という大人の男にリードされながら、最初こそ戸惑いもあったものの、ゆっくりと成宮のペースに合わせてくれる都筑に、いつしかこの上ない幸せを感じていくようになる。
けれど早い段階で蜜月を迎える二人には、後半波乱が待ち受けていて。
ほんの少し前とは一転して、どんどん不安になっていく成宮の心細さとか、それでも信じていたいと無理やり笑顔を作ろうとするところとか、すごくせつなくて健気でよかった。
あと成宮の仕事相手である監督の大塚の存在がまたよくて、仕事面でも成宮が有能であることが伝わってくるし、そんな成宮をとても認めているところもいいし、何より後半、この人の存在がキーにもなってきて、成宮の悩みを解決に導いていく展開もよかった。
ただ心残りは、ラスト白河を登場させて成宮の意外にしっかり甘々な展開もよかったけれど、もっと大塚も登場させて、二人をいろいろ掻き回したり突いたり?(笑)したやりとりを見たかったし、頼もしい成宮の甘々発言に対する大塚の反応も見たかった。