|
【小山田 あみ】【ガッシュ文庫】【2011年2月刊】isbn:4796401377
★5<友人に誘われるまま起業し、順風満帆だった穂高の前に、人形のように無表情で感情を見せない男・白河が訪れる。
ヤクザの組長の私生児であった穂高に、跡目を継ぐよう言い使ってきたと言うが、穂高にはさらさらそんな気はなく、けれど白河には興味がわいて…。
白河の、その複雑な環境から、無自覚なままに感情を表に出せなくなっている、ちょっと可哀想な子供のようなところと、かと思えば、穂高がやられた、と思うような大人のしたたかな面もあったりするギャップもいいし、白河のことをよくわかっていてリードしているようで、後半白河に実はずっと無自覚に欲っしていたものを与えられて泣きそうになる穂高が、いい大人で白河が憧れるような強い男なのに、そういう場面ではちょっと小さな不憫な子供の穂高が見え隠れしていたところもよかった。
ただ残念ながら小山田さんのイラストは別に嫌いじゃないですが、イラストが文字から受ける私の印象とはちょっと違ったのが心残り。