一ノ瀬 智/指先にジェラシー

自分がモテる自覚もあり、いつも見目のいい女の子を狙う碓氷。
仕事はそこそこ。完全にどうでもいいとは思っていないが気合も入っていない。
そんな碓氷が負けた、と思えるほどの男に狙っていた女の子を持っていかれた。
その男、入社三年目なのにまったく気づかなかったが同じ社の人間で5才年上の桐谷章介。
めがねがダサ過ぎてめがねをかけている社内では印象は変わってしまうが、経理で正論を突きつけられひと悶着。嫌味な男に言い負かされっぱなし。
とても相性はいいとは思えなかったが、後日売り言葉に買い言葉で桐谷に恋愛ごとだけでは負けたくない碓氷はその気にさせてやる!と宣言してしまい、女の子を口説くように毎週あれこれ趣向を変えたデートを考えるが…。

【香坂 あきほ】【リリ文庫】【2011年10月刊】isbn:490483545X

 

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★4.5<間違えました―――(受)と(攻)を。


ずっと年上の桐谷にキャンキャン吠える碓氷を

スピッツのような小さい元気のいい小型犬、

口うるさい小姑のような桐谷は

融通のきかないオジサンキャラだとばかり思っていたので、

いざベッドの上で碓氷がリードし始めたときには戸惑いました…(苦笑)

 

それはさておき、いちいち正論でやりこめる桐谷に発奮しながら、

いつか逆にやりこめてやる、と思っている碓氷が、

あるとき桐谷が意外にも自分をよく見ていて

わかってくれているのだと自覚する。


そんなふうに恋を自覚する碓氷が

それまでを反省して頑張っていく展開も好きだし、

 

嘘はつかない桐谷が隠していることに傷ついたり、

暴走して反省して諦めて、それでも桐谷のために頑張りたいと

 

桐谷への気持ちを押し隠して頑張る碓氷も健気だし、

大人になろう、桐谷のことを考えて行動しようと、

桐谷に出会う前の碓氷には考えられない成長ぶりもよかった。

 

 

桐谷は本当にドライで言い方がストレート過ぎるし

恋愛には向かないような人ながら、

よく気づく割に言葉を操るのも恋愛ごとにも不器用で、

だけど嘘はつかない。

 

そんな人が時々見せる素直じゃないかわいい言動はたまりません。
また時間を置いて、ちゃんと碓氷(攻)、桐谷(受)で

改めて読み返したいと思います。