【竹中 せい】【プランタン出版f‐ラピス文庫】【2007年3月刊】
・あらすじ・
何故か周囲の男友達だと思っている相手から冗談まじりに告白されることの多かった桑原。
大学に入ってもまた同じように友人から告白され、いい加減うんざりしていた。
そんなとき、隣にウエブデザイナーの男が越してきた。
仕事が忙しく身の回りに手の回らない阿部が放っておけず、ウエブデザイナーの仕事のこともちょっと知りたくてついお節介を焼いてしまうが、あるときそんな阿部にも口説かれて…。
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・レビュー・
★4(+)<とにかく男に好きと言う
友人たちの気持ちがわからず、嫌で嫌で仕方がない。
けれどそういう事情を話したことのある阿部からも
同じように好きだと言われ、そのまま押し倒されてしまう。
好きだと言った上に性欲の対象にまでされて
本当に嫌だと怒るけれど、いつか阿部は謝ってくるだろうと思っている。
それまで自分に好きだと言ってきた男たちと
自分の受け止め方が違うことに本人は自覚がない。
だから▼ネタばれ▼になりますが、
桑原は自覚はないけれど自分を好きなのだ、
と阿部が「簡単な答え」をくれる。
最初はそのあたりのグルグルしている桑原の気持ちに
あまりリンクできずにいたけれど、
何度か読み返そうと思う程度には
阿部のキャラがわりと好きだし、
阿部と石川のやりとりが好き、かな。(笑)
放っておけば部屋は散らかるし
物言いもキツくて、でも仕事はできる阿部と、
阿部の仕事のパートナーで
仕事管理をしているほうの石川が
うまいこと言って阿部を働かせまくる。
当然阿部は怒るけれど
うまいことエサをちらつかせたりして
石川の思う通りに進めようとする。
阿部とのつきあいが長い分
言いたい放題しあっても仲がいい。
桑原もぐるぐるしているところは
ちょっと面倒くさいキャラに思えるけれど、
火崎さんの描かれる(受)キャラらしく、
真面目で年上の相手にも悪いことだと思ったら
口も出せるし礼儀正しいキャラ。
全体的によかった、
と思えるわけではなかったけれど、
桑原のぐるぐるが
気になるか気にならないか、がカギかな。