火崎勇/負けてたまるか!

キャラ文庫 2002.9 ISBN:4-19-900242-1

・あらすじ・

「二人のうち、優秀な方を跡継ぎにする」―突然父から言い渡された後継者レース。
大企業の御曹司・斎の前に現れたのは、怜悧な美貌の義弟・立城。
しかも「絶対あなたに勝ってやる」と、正面から宣戦布告してきた!闘争心を剥き出しに挑んでくる立城に、逆に興味をかきたてられた斎。
なんとか接近しようとするけれど…!?恋と跡継ぎの座を賭けたラブ・バトル。


 

・レビュー・

★4(-)<

御曹司であり、邸宅に住みながら、

それでも自分のやりたいアートの道に進み、

いつでも出ていけるぐらいの下準備は出来ている斎。


立城の母の死で、

突然引き合わされた義弟の立城。


斎には父の地位も興味はなく、

立城を邪魔者扱いする気は毛頭ないのに、

斎に、警戒心も敵対心も剥き出しにする。

 

父の言われるままに後を継ぐのではなく、

自分のやりたいことで成功している斎は、

魅力的なキャラに見えるはずなのに、

 

どうも淡々とした展開の中で、

斎の存在は設定より地味な感じ。


また立城の方も、

気丈に頑張る姿がもっと健気に見えてもよさそうなのに、

今一つ読んでいて惹かれる存在になりきれない。


ストーリー的にも、

何だかんだ言っても逃げていた斎が、

立城に惹かれることで、

友達からハッパをかけられることで、

大きな壁を乗り越えていくという

嫌いな話ではないと思うのに、

何故かそこまで読んでいて気持ちが盛り上がりきらない。

 


どうも淡々とした斎視点で進んでいくストーリー同様、

ストーリーもちゃんと山はあるはずなのに

どこか淡々とした印象を拭えず、

ハッキリ何、ということなく、今一つな読後感になってしまった。


脇キャラに出ていた斎の友人の二人もいい感じだったし、

斎の、「我慢できないほど、愛してるんだ」とか

いい台詞だったと思うんですけど・・・。うーん。