Tamami/ずっとそばに

3年ぶりに日本に帰ってきた夏輝は従兄の秋也の家に滞在することになったが、秋也は未だにかつての恋人を忘れられずにいた。そんな秋也を気にかけ優司が訪ねてくるが、夏輝は次第に誠実で優しい優司に惹かれてゆく。

 

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ずっとそばに (Glass blue novels) [ Tamami ]
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樹要 パラダイム Glass blue novels(2002/12) isbn:4894902850

★4<大好きだった従兄の秋也だが、噂にきいていたパトロンだという男・貴志川と秋也のマンションで出くわして以来、何となく気まずく感じるようになり、親の海外転勤につきあって三年も会わずにいた夏輝。
久しぶりの再会で四日間、秋也の家に預けられることになるが、秋也に以前のような親しみはなく、三年の間に何があったのか、夏輝は戸惑いを覚える。

夏輝の一人称で始まる物語。
読み進めると話しはサスペンス調になっていく。
▼ネタばれ▼になりますが、秋也のパトロンであった貴志川の変死、秋也に危害を加えようとする何者かの存在、そして秋也の隠している何か、それらが何も知らなかった夏輝を戸惑わせる。

文学賞を受賞した秋也のパトロンであった御曹司の貴志川。
生前、ちょっと横柄なところもありながら、どこか満たされない部分を背負っていたような部分も見え隠れさせ、何より秋也を随分必要として愛していたのだろうと伺えるあたり、とてもよかったのだけれど、前述の通り生きて出てくるわけではないのが残念。

夏輝という第三者には横柄そうに見えたパトロンである貴志川は、けれど秋也にしてみれば、最愛の恋人に違いなかったのだ、というお話しとしては、いいエッセンスが入っているように感じられるけれど、どうも、夏輝が主キャラになっているあたりが今一つ。

夏輝視点でありながら、途中秋也視点にもなるので、完全に夏輝が主役というわけでもないのだろうけれど、中途半端に夏輝にもほのかなボーイズラブエッセンスを加えて主キャラにしてしまうのではなく、完全に秋也の大事な恋の思い出を紐解く誘導キャラにしてしまったほうがよかったのかも??