直野儚羅/闇に遠吠え、胸に棘

スーパービーボーイコミックス: ビブロス : 2006.3 ISBN : 4-8352-1877-9

・あらすじ・

 周囲に不幸を呼び寄せてしまうらしいことに気付いていて、一人孤独に生きていた高校生の祝詞(のりと)は、前世で「誓約の証」を交わしたという中年の男・狛(こま)と出会う。
にわかには信じられないことを聞かされ戸惑うが、無心に自分を「御主(おしゅう)」と慕ってくれる狛に、いつしか過去の記憶を取り戻し…。

 


 

・レビュー・

 

★4.5<さすが中年男を可愛く描ける直野さんらしい、

狛の可愛さ満載の中、

飄々と食えない存在の狛の兄・赤酸漿(あかかがち)が

二人を楽しくからかうところもおもしろいし、

 

その他にも出てくる狛の兄弟たちの、

時に真剣で、時に馬鹿馬鹿しいやりとりの強弱も、

話が重すぎず軽すぎず、でよかったと思う。


あと主キャラたちラブラブな二人に加え、

狛を裏切っていた弟・シルシュと、

狛の敵対する相手・マルドゥークも、

 

シルシュはマルドゥークに心から従いながらも、

そのマルドゥークへの思いは儚げで、

 

またマルドゥークもシルシュを従わせ、

内心もともとは敵ながらも

大事に思っていることが見え隠れするところが可愛いくて、

 

主従関係好きな方に、

もっと二人のことを読みたくてたまらないかも。


最後に、またまた登場する

新たなる狛の兄弟・ラカムのお話が、

実はカバー下の表紙にちょこちょこっと載っていて楽しめます!
書籍版で読まれる方は

ぜひとも読後はカバーをめくるのをお忘れなく~!!