直野 儚羅/欲しがりな君と不束な僕

竹書房 2003.6 ISBN:4812458137

・あらすじ・

両親が亡くなってから必死で弟妹たちを育てているうちに、36歳になってしまったバーの雇われマスター隗(かい)。
弟妹たちがそれぞに独立していき、心にぽっかりと穴があいていた時、店で金髪・青い目で思わず見とれる程の美形な客・ランスと出会う。強引なランスのペースに少しずつ生きる喜びを取り戻していった隗だったが・・・? 表題作他、麗人本誌に収録された読み切り2編と商業誌未収録作品2編を収録したファン待望の最新作品集!!
◆欲しがりな君と不束な僕◆暁闇に迷う◆告白~confession◆死に損ないの夜◆死に損ないの夜・おまけ◆告白~confession・おまけ ご奉仕◆欲しがりな君と不束な僕・おまけ 血の絆◆

 


 

★4.5<

絵に好き好きがありそうな方ながら、

以前から私的にはストーリーが好きで

今回も読ませていただいたこの作品。

 

やっぱりほんわかと心温まる恋愛もので、

よかったです。

 

一つ目は弟妹たちが放っておけない

かわいい中年?と年下の金髪青年のお話。


二つ目は時代物で師弟ものの下克上、

かと思いきや▼ネタばれ▼になりますが

(受)(攻)逆もアリなお話。


三つ目は穏やかそうな中年オジサマと、

現場で働く若い男の子のお話。

 

 

一つ目のお話では

(受)キャラが36歳には見えない感じではあったものの、

時折ボーッとしたり照れたり困ったりするところが、

可愛くデフォルメ?されて描かれているのが可愛く、

 

強引に見えて弱気な(攻)キャラも

好感が持ててよかった。

 

二つ目のお話は、

時代物で、切った張ったというストーリーの中、

好きな相手を命を懸けて守りたいと思う気持ちや、

 

危ないことはさせたくない、

という気持ちなどがせつなくて、

 

でもお互いにお互いを

すごく好きなのだという気持ちがすごく甘々なお話。

 

 

三つ目のお話は、

最近の若者にしては

頑張って肉体労働をしていると眺めていた好青年から、

身体を買って欲しい持ちかけられ、

ついその言葉に乗せられて抱きながらも後悔してしまう。


優しげなオジサマもいいけれど、

大胆に見えてめちゃくちゃ健気な青年くんが可愛く、

気持ちに反比例して不器用なところが笑えた。

 

ただ★5にならなかったのは、

ちょっと時代物の話に費やされるページ数が多いかなと思えたので。


嫌いじゃないけど、現代ものの二組のお話が

すごくよかったので、もうちょっと読みたかった。