北沢きょう(幻冬舎コミックス リンクスロマンス 2009.10)
ISBN:978-4-344-81786-9
・あらすじ・
ずっと離れて暮らしていた双子の弟・蛍の突然の死。
いろいろな思惑から千樫は蛍になりすまし、蛍の男の恋人・東原と同棲生活を送ることになり…。
|
・レビユー・
★4.5(+)<
ショッキングな出だしから、どんどんせつなくなっていくお話。
蛍が惹かれた東原に、
男を相手に恋愛など考えたこともなかった千樫までが好きになってしまう。
本当は蛍が向けられるはずだった優しさや、
東原がいつか本当のことを知ってしまった時の悲しみ、
いろいろな思いに縛られ、
それでも東原への気持ちが止められない千樫の苦しみ、
その他複雑な事情すべてがせつない。
そんな千樫の蛍や東原への気持ちが、
引き過ぎず、出過ぎず、というか、
優等生過ぎず、強気過ぎでないような
微妙なさじ加減のキャラにも好感が持てたし、
東原も、精一杯不器用に千樫を大事にしようとしているけれど、
許しが出たら遠慮なく行動を起こしてしまうほどには
千樫を欲しがっているようなところがよかった。
ただラスト、もうちょっと
続きを読みたかった気にさせられたというか、
東原の会社の人間・山口のほのめかした秘策?が
ちょっとそれだけかな、というあたり、
拍子抜けだったというか、
東原との同居への後押しにはなっても
仕事の面はどうかな??という疑問が残ったと言う感じ?
そこまではすごく気に入って読んでいたのだけれど、
気に入っていたからこそ
終わってしまうのが物足りなく思ってしまったのかな??