火崎勇/告白のない恋

クールで切れ者な社長秘書・津川真刀の目下の悩みは、三ヶ月前に社長に就任した大塔凪の奇行と、社内で噂される不穏分子の動き。誰かが新社長を追い落とそうとしている中、当の凪は亡くなった母親に面差しの似た専務秘書(男)に毎日プロポーズしては玉砕することを繰り返しているのだ。呆れながらも津川は凪を一人前のトップにするため教育を開始するが、育ちがよくお坊ちゃん然とした彼が思いの外仕事に関して意欲があり優秀なことを知り、好感を抱いていく。だが、津川は凪に伝えていないひとつの秘密があった・・・。

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ショコラノベルズ:2005.1.10 かんべあきら ISBN:4778100654

★4<ヘッドハンティングしてくれた社長から、亡くなる前に息子を頼むと言われた社長秘書の津川。
社長の座を狙う社内の動きに目を凝らしつつ、自分より年下の若社長・凪のサポートをするが、当の本人は、隙あれば、一目惚れしたという男の秘書・真田に告白してはていよく断られ、そんな行動に津川は、どんなスキャンダルが社長の失脚に繋がるやも、と頭を悩ませていた。

意外にも頭がよく、期待以上に社長職をこなしていたが、育ちのいい素直な凪には、社長としての狡猾さが足りず、社内での不穏な動きに、津川は裏で奔走していた。
凪をサポートしつつも、どうも本心のわかりにくい津川が、何を考えているのか、社長の座はどうなるのか、津川が隠し持っているカードは何なのか。
また、凪と、凪が追い掛け回していた専務秘書の真田と、津川との三人の関係がどうなるのか、とても気になる展開が続き、おもしろいのだけれど、恋愛ものとしては、互いにスキという言葉を使えないしがらみがあるせいか、甘いお話とも言えないし、津川がクールなので、
自分の気持ちを押し殺して任務を遂行しようとしている、という話でもない分、話もどこか淡々とした印象。
クールな年上秘書に、言いように丁寧語で責められて、反発しようとしても、基本的には育ちのいい坊ちゃん(受)には到底太刀打ちできず、悔しがりながら泣かされるカップリングが好きな人にはオススメかも。