姫野 百合/クールビューティーは甘いのがお好き

白鳥弓弦は総合不動産開発会社の企画室に勤める敏腕サラリーマン。数々の企画を成功に導いたその手腕と、近寄り難いほどの美貌で、社内でも一目置かれる存在である。そんな彼は甘いもの嫌いとしてもよく知られていたが、ある日、上司から天才パティシエ・七天と仕事をするように命じられてしまう。実は甘いものを食べると人格崩壊するほどのスイーツ好きを隠していた白鳥は激しく抵抗するが!?冷たい美貌の有能社員も天才シェフの甘い言葉とスイーツの誘惑にはさからえない。 

 

【吉崎 ヤスミ】【セシル文庫】【2011/1】isbn:4774723835


 

★4.5(-)<社内では、甘いものは見るのも嫌がっていると思われているクールビューティーな白鳥弓弦だったが、本当は甘いものを食べると人格が崩壊するほど甘いもの好き。
そんな自分に人気パティシェの七天と仕事をするように命じられ、自分の甘いもの好きがバレては困ると頑なに拒むが上司命令に逆らえるはずもなく…。

前半はその白鳥の人格崩壊ぶりがちょっと安っぽいというか、感動の美味しさを味わっているときの台詞にしては語彙が乏しいというか、もっともっとイッちゃってるぐらい褒めちぎるぐらいのほうが読んでいてしっくりきたように思えた上、白鳥と同じプロジェクトにかかわることになった女の子のキャラが語尾をやたらに伸ばすちょっと馬鹿っぽいキャラで読んでいてうっとうしかったりしたのですが、後半は白鳥が、どうしてそんなふうになってしまったのか、家庭事情がせつない感じに垣間見える展開もよかったし、七天がせっせと甘やかしているのに白鳥、まったく気づいていないらしいギャップも楽しく、無自覚なままに七天に殺し文句を言っちゃったり行動しちゃったりするあたりもおもしろかった。