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リンクスロマンス
★5<火崎さんの(攻)視点のお話はちょっと苦手かなと思っていたのですが、今回、何不自由ない資産家の(攻)が、自分の立場を知らない無垢な青年と出会い、互いに互いの素性を探り合わないと約束した上で逢瀬を重ねるようになる。
会っている間だけは従順な恋人のようなのに、名前が本名かも、連絡先も、住んでいるところも何も知らない青年のことを、いつしか本気で欲しいと思うようになる。
話の先は早い段階で読めてしまうのだけれど、何もかもを自由にする事が簡単に出来る男が、どうにも自由にならない青年を相手に、調べたりしないでと告げられた言葉に誠実な対応をしたいとするところや、誤解してキレて去られて、そして一人になった時の言いようのない喪失感に襲われる主人公が、ものすごくせつなくて、秘書に自嘲気味に話すシーンなんかもすごくよかった。