若くして国会議員になった城嶋晃聖は有能で野心家だ。元総理の孫娘との縁談を控えたある日、その男が現れた。男の名は工藤 凱…城嶋の高校時代の同級生で、肉体関係をもっていたことがあった。工藤はストーカーのように城嶋をつけ回したあげく、スキャンダルの証拠を材料に再び肉体関係を強制してきた。イヤだと思う心とは裏腹に、城嶋は工藤に身体を開かされ犯されてゆく…
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【水名瀬 雅良】【オヴィスノベルズ】【2005年11月刊】
(攻)ヤクザかホストのような風体の元同級生・28才・工藤凱(くどう・がい)
(受)将来有望な代議士・城嶋晃聖(きじま・こうせい)
★4<元総理の磐田に目をかけられ、孫娘との婚約準備も着々と進み、順調に上を目指す国会議員の城嶋。
けれど10年ぶりに現れた元同級生の工藤が、自分との過去をネタに昔のような関係を強要してきて…。
工藤との関係は城嶋の立場ではあまりにもスキャンダラスなのに拒絶することもできず、身体に与えられる快楽もまた甘い毒のように城嶋を犯していく。
城嶋が破滅に向かっていくのにハラハラさせられつつ、でも工藤は城嶋をいたぶっているように見えて、めちゃくちゃに構いたいし構われたいのだろうとわかるから、工藤が素直になれば最後は甘々。
嫌だ嫌だ言いながらも工藤も男。
腹を据えれば開き直ってとんでもないことをしてしまう。
さすがに最後の展開はいくらフィクションでBLだからと言っても、ないだろう、とツッコミたいところだけれど、まあそれを差し引けば、いじめっ子(攻)とツンデレ(受)さんの10年愛・甘々BLということでそういうカップリングが好きな方にはたまらないのかも。
個人的には結局些細な誤解でお互い好きなのにすれ違っていたお話としては好きなお話ながら、▼ネタばれ▼になりますが、婚約記者会見で性癖をバラすは、男同士の純愛に一部の人たちに大ウケしたというオチだとかいう展開は、前半の国会議員としての城嶋がスキャンダルに脅える展開からのオチにしては微妙な気がして好き度はちょっと低め。