【いさき李果】【幻冬舎/リンクスロマンス】【2011年11月刊】
・あらすじ・
母亡き後、アメリカで天涯孤独となった冬海の後見人となってくれたのは母が秘書を務めていた会社社長のミラー氏。
大学卒業後ミラー氏の個人秘書として頑張っていたが、ある休日、旅行者の日本人・真宮司に出会う。
自分がミラー氏に近い人間だとわかって寄って来る者とも違い、会社と居候しているミラー氏宅の往復だった毎日に真宮司との時間は新鮮で。
その後、日本へ帰国した真宮司とは少ない逢瀬の中、冬海の中で真宮司への恋心が育っていき、真宮司も同じ気持ちであることがわかるが、二人の蜜月は長く続かず…。
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・レビュー・
★5<「秘書喫茶―ビジネスタイム―」で登場した
大倉もちょこちょこ登場するこの作品は、秘書喫茶のオーナー・冬海のお話。
信じていたのに信じてもらえなかった辛さが本当にせつなくて、
それでも好きな気持ちも止まらずに、
会いたくても会えない状況を自分に作って追い詰める健気さ。
誰にも泣き言を言わず、辛さを一人身の内に抱え、ただ一人の男を切に想う。
本当のことも言えず、身を引くしかない人魚姫のような恋。
それに引き換え真宮司。
最初は冬海を口説くのに中学生みたいに時間をかけて、
でも覚悟を決めたら強引で、かっこいいかな、と思いかけていたけれど、
どんどんヘタレ男に…!?
本編その後のミニ小説では真宮司視点のお話になっているのですが、
冬海のいないところで大倉にやりこめられる真宮司…(苦笑)
もう冬海を不安にさせたりしないで欲しいものです。
それにしても大倉が大人で大人で、
また「ビジネスタイム」のほうを読み返したくなりました。(笑)