水原 とほる/ただ、優しくしたいだけ

放蕩三昧で親から勘当されながらも、今ではトレーダーとして悠々自適な生活を送っていた隆次。ある日、長い間疎遠だった叔父が訪ねてきて、子どもを預かってほしいと頼んできた。小柄で痩せっぽちの少年・アズ──ぼんやりしていて日本語も不得手なアズは、どうやらゲイの叔父の恋人らしい!? 叔父に押し切られるまま、期間限定でアズとの共同生活を始める隆次だが……。

 


 

【山田 ユギ】【キャラ文庫】【2008年9月刊】isbn:4199004963


★4.5(-)<実家から勘当されている中、変り者ながらも一時期助けてもらっていたこともある叔父の連が、いつものようにフラッとやってきて、いつものように金の無心かと思えば、今回は少年をひと月預ってほしいと頼まれ…。

仕事も充実し、それなりに生活の余裕もある隆次だったが、人付き合いは面倒なほうで気ままに一人暮らしを満喫し、時折セフレを呼ぶぐらいだった空間に、手がかからないほうだと連には紹介されたものの、見ず知らずの子供・アズを同居させることにいら立ちを隠せない隆次。
アズもハーフで日本の生活に慣れていないし言葉も生活習慣もどこかズレている。
言葉数も少なく扱いにくいアズだったが、あることをきっかけに二人の関係がかわっていく。
連と浅からぬ仲らしいアズに、いくらゲイの隆次でも恋愛感情など抱くはずはないと思うのに、少しずつ愛しい気持ちが育っていく。

二人の関係がかわっていくきっかけになる出来事は、ちょっと痛々しくて苦手な展開だし、連のことも予想はつきつつもやっぱりショック。
でも一人ぼっちだった隆次を変えていくアズは健気でかわいいし、最後は幸せになれればいいな、と思えるお話になっていた。
ただやっぱり展開的にはあまり重くないお話のほうが好みなので好き度はは少し低めに。