水壬 楓子/クライアント

人材派遣会社『エスコート』に所属するボディガードの鞠谷希巳は、ダン・サイモンのボディガードとしてアメリカに赴いた。迎えにきたのはダンの養子であるジェラルドで、鞠谷の美しい容姿から本当にボディガードなのか、ダンと恋愛関係にあるのではないかと疑っていた。一緒に過ごすうち、二人の関係は修復され、距離が縮まっていくが、実は鞠谷とダンとの間には秘められた理由があり…。大人気『エスコートシリーズ』第二シーズン始動。 

 

【佐々木 久美子】【リンクスロマンス】【2011年2月刊】isbn:4344821637

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★4.5<エスコートシリーズ。
最初はなごやかに?いつもの榎本とユカリのやりとりにシキと律、というところからスタート。
懐かしいやりとりが微笑ましい中、新キャラ登場。
ボディガードというよりホストのような華やかな男・マリヤ。
三年前に専属契約されるに至った経緯が語られる。

資産家のダンのボディガードとしてマリヤと出会うことになるジェラルド。
ジェラルドはダンの本当の息子ではないが17才で引き取られて以降、養子となる今に至るまでダンのそばにいたはずなのに、ダンとは以前から親交があったらしいマリヤの存在は一切知らされておらず、マリヤにしても最初から友好的でもない。
一緒にいる間中どこか腹の探りあいでジェラルドはマリヤにいい印象を持ってはいなかったが容赦の無い言葉にハッとさせられることもあり…。

ダンは養子の自分を本当はどう思っているのか、マリヤはダンにとってボディガードとしての存在だけなのか。
いろいろ気にかかる中ショックな知らせを受けるジェラルド。
それを気遣うマリヤの想い、そしてジェラルドへの気持ちをダンに吐露するあたりもよかったし、いつしかダンが何でも買い与えるほど入れ込んでいるマリヤを欲しいと思ってしまうジェラルドが、どうののしられようが潔くダンに打ち明けようとするあたりもよかった。

最初は互いに譲らない勝気な二人、といったふうに感じたけれど、後半は勝気なマリヤの尻にジェラルドが敷かれる、といった感じでしょうか。
意地っ張りで、ああ言えばこう言う、勝気な女王様(受)がすごく好物な人にはたまらないお話、かな。
そうでもない私にはエスコートシリーズの一つとして楽しめた、という感じ。